38人の仲間のはなしあい

将国と棋国の38人の家来(けらい)たちは,とても良い仲間だったので,


王将と玉将の喧嘩(けんか)のお供(おとも)をすることは,とても嫌(いや)なことでした。


2人の王様が(喧嘩)けんかをする時(とき)は,自分(じぶん)たちもしなければならなかったからです。


でも,将国と棋国の38人の家来(けらい)たちは,とても良い仲間だったので,


2人の王様に気づかれないように,喧嘩(けんか)をしているふりをしていました。


「何か,喧嘩(けんか)のお供(おとも)をしないですむ方法はないものか?」と将国の飛車が呟き(つぶやき)ました。


「何かないものかなぁ?」と棋国の飛車が言い(いい)ました。


「王将さまと玉将さまが,喧嘩(けんか)をしなくなるような良い方法はないかなぁ?」と将国の角行が言い(いい)ました。


「喧嘩(けんか)をしなくなるような良い方法なんて,あるだろうかぁ?」と棋国の角行がため息 (いき)をついていいました。


「喧嘩(けんか)をしているふりをしているのを王将さまに知れ(しれ)たら,どうなるだろう?」と将国の金将たちが心配(しんぱい)そうに言い(いい)ました。


「玉将さまに,喧嘩(けんか)をしているふりしられたら,大変(たいへん)だぞ!!」と棋国の金将たちが怯え(おびえ)ながら言い(いい)ました。


「心配(しんぱい)ばかりしていても仕方(しかた)がないので,皆(みんな)で良い方法を考え(かんがえ)ましょう!」と将国の銀将たちが提案(ていあん)しました。


「それがいい,良い方法を考え(かんがえ)よう!」と棋国の銀将たちが相槌(あいづち)を打ち(うち)ました。


「みんなで知恵(ちえ)を出し(だし)あえば,きっと良い方法が見(み)つかりますよ。」と将国の桂馬たちが元気(げんき)よく言い(いい)ました。


「そうですよ。皆(みんな)で考え(かんがえ)ましょう。」と棋国の桂馬たちも言い(いい)ました。


「それでは,次(つぎ)に会う(あう)時(とき)までに,考え(かんがえ)ておきましょうよ。」と将国の歩兵たちが,口を揃えて(くちをそろえて)言い(いい)ました。


「そうだ。そうだ。そうしましょう。」と棋国の歩兵たちも,口を揃えて(くちをそろえて)言い(いい)ました。


こうして,将国と棋国の38人の家来(けらい)たちは,2人の王様が喧嘩(けんか)をしないようにする方法を考え(かんがえ)るということを決め(きめ),


将国と棋国に帰る(かえる)ことにしました。



将棋物語のお話は,まだまだ続きます。


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