しょうぎばん と こま

ある日のことです。


38人のけらいたちが話しあいをすることになりました。


「なにか良いかんがえを思いついた人はおるかのう。」と将国(しょうこく)と棋国(きこく)の金将(きんしょう)たちがいいました。


「ごめんなさい。わたしは思いつきませんでした。」と将国(しょうこく)と棋国(きこく)の銀将(ぎんしょう)たちがあやまりました。


「いろいろとかんがえてみたんですが・・・」と将国(しょうこく)と棋国(きこく)の桂馬(けいま)たちがいいわけしました。


「ないんですよねぇ。。。。」と将国(しょうこく)と棋国(きこく)の香車(きょうしゃ)たちがちいさな声でいいました。


「王将(おうしょう)さまと玉将(ぎょくしょう)さまが,けんかをしなくなる良い方法があるといいのですが・・・」と将国(しょうこく)と棋国(きこく)の歩兵(ほへい)たちがささやきました。


すると,しばらくして将国(しょうこく)と棋国(きこく)の飛車(ひしゃ)と角行(かくぎょう)たちが,口をそろえていいだしました。


「じつはのう,わしらは将国(しょうこく)の「将(しょう)

」と棋国(きこく)の「棋(き)」をとって

将棋(しょうき)」というものを作ってみたのだ。」と。



しょうぎとは,どんなものなんですか。」と飛車(ひしゃ)と角行(かくぎょう)をぬけた34人のけらいたちがおどろいていいました。



飛車(ひしゃ)と角行(かくぎょう)たちは「しょうき」といったのですが,けらいたちには「しょうぎ」と聞こえてしまったのでした。



「それでは,将棋(しょうぎ)の話をきかせてくださ
い。」と34人のけらいたちが飛車(ひしゃ)と角行(かくぎょう)にききました。


「かくかく,しかじか・・・。」


飛車(ひしゃ)と角行(かくぎょう)たちが34人のけらいたちに話したことをまとめてみると,つぎのようなことでした。



まず,将棋というなまえは,棋国(きこく)よりも1日はやくできた将国(しょうこく)の
「将」(しょう)をさきにして「将棋」にしたということでした。


「なるほど。この話を玉将(ぎょくしょう)さまにすると,玉将(ぎょくしょう)さまもわかってくださるじゃろうて。」


つぎに,「将棋」をするためには,下にある「将棋盤(しょうぎばん)」というものをつかうということでした。


そして,「将棋」をするためには,下にあるように「将棋盤の上に,
(こま)をおいておくということでした。

34人のけらいたちは,「それから,どうするのだろう。。。」と思っていました。


「かくかく,しかじか・・・。」と飛車(ひしゃ)と角行(かくぎょう)の話はつづきました。


こうして38人のけらいたちは,将棋のことをいろいろと話しあいました。


「もしかすると,将棋をすると,王将さまと玉将さまは,けんかをしなくなるかもしれないぞ。」と38人のけらいはこころのなかで思いました。


「もしかすると。。。。」と。


38人のけらいたちは,将棋の話を王将(おうしょう)さまと玉将(ぎょくしょう)さまにお話しする,ということを決めてから,その日はわかれることにしました。

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